【行政書士が解説】農地に設定された賃借権は相続できますか?|農地・賃借権・相続

親が貸していた農地に賃借人がいることは知っていたけど、相続後もそのまま貸し続けられるの?契約はどうなる?手続きは必要?
この記事では、農地に設定された賃借権(農地の賃貸借契約)が相続された場合の手続きを福岡県北九州市とその近郊を中心農地転用を取り扱う行政書士がわかりやすく解説いたします。
下記のボタンからワンクリックでお問い合わせいただけます。
この記事を書いたのは?
私が記事を書きました

行政書士 乗越 悠生
Yusei Norikoshi
福岡県行政書士会所属 福岡県北九州市出身の行政書士
20歳の時に行政書士登録
福岡県北九州市とその近郊の市町村や市街化調整区域で
農地転用や開発許可等の土地利用規制許認可手続きをサポートしている
趣味:ドライブ・お散歩・昼寝
事務所情報・連絡先
連絡先はこちらです
〒802-0011
福岡県北九州市小倉北区重住3丁目2-12
行政書士 乗越悠生(のりこしゆうせい)
電話:090-9654-3117 FAX:093-471-2411
メール:y.norikoshi.gyosyo@gmail.com
結論:賃借権は相続されます
たとえば親が地主で、農地を他人に貸していた場合、その契約上の地主としての立場(権利義務)は相続人に引き継がれます。
借主が亡くなった場合も同様で、原則としてその契約上の地位は相続人に引き継がれます。
ただし、ここで問題になるのが「農地法」です。
農地の賃貸借は農地法の規制を受ける
農地の貸し借りは、農地法第3条の許可を得たものでなければ効力を持ちません。
つまり、もともとの契約が正式に許可を受けていない場合、そもそもその賃貸借契約は無効とみなされる可能性があります。
また、相続によって契約当事者が変わったとしても、契約条件を変更したり、終了したりするには原則として再度の許可が必要です。
地主側が相続した場合の対応
地主(貸主)の地位を相続した場合は、以下のような対応が必要です。
・契約内容の確認
まずは「誰に・どのような条件で貸しているのか」を把握しましょう。
契約書や農業委員会の許可通知などがあるか確認することが大切です。
・農業委員会への届出や相談
契約そのものに変更がなければ再許可は不要ですが、名義変更や将来の更新に備えて状況の整理をしておくことが望ましいです。
また、契約の更新時期が近い場合は、農業委員会への届出や許可が再度必要になることがあります。
借主側が相続した場合の対応
借主(農業従事者)が亡くなった場合も、基本的にはその賃借権は相続人に承継されます。
ただし、実際に農業を継ぐ意思や能力がない場合、農地の返還や契約解除が問題となります。
この場合も、農業委員会との協議が不可欠です。無断での使用や転貸、目的外利用は農地法違反となる可能性があります。
「相続=自由に使える」は通用しない
農地の賃貸借に関しては、「親の代でやっていたから」「書類はよく分からないけど続いてるから」では済まされません。
相続によって権利義務を引き継いだとしても、農地法に適合していなければトラブルの原因になります。
特に、名義や契約内容に変更がある場合、農業委員会の許可や届出が必要になるケースがある点は見落としがちです。
まとめ
農地に設定された賃借権は相続されますが、そのままにしておいても安心とは限りません。
契約の有効性、農業委員会とのやりとり、名義変更や今後の更新など、整理すべきポイントは意外と多いのです。
当事務所では、地主・借主どちらの立場でも、農地の賃貸借に関する相続対応をサポートしています。
農業委員会との手続きや書類の整備、今後の活用についても含めて、丁寧にご案内いたします。
農地のこと、誰に聞けばいいか分からない。
そんな時こそ、どうぞお気軽にご相談ください。相続後の不安を、一緒に解消しましょう。
農地のあれこれスケダチオフィスにご相談ください
お問合せの前によくあるご質問もご確認ください。
お電話の場合
年中無休:9時~20時
お問い合わせフォーム
LINEでのお問い合わせも可能

対応可能エリア
福岡県全域対応いたします
※弊所が北九州市にある関係でスケジュールによっては対応に1~2営業日いただく地域がございます。
【最短即日対応可能エリア】
北九州市・芦屋町・水巻町・中間市・遠賀町・岡垣町・苅田町・みやこ町・行橋市
【スケジュールによっては最短即日対応可能エリア】
築上町・豊前市・吉富町・上毛町・鞍手町・直方市・福智町・香春町・糸田町・田川市・大任町・赤村・添田町・川崎町・嘉麻市・桂川町・飯塚市・小竹町・宮若市・宗像市・福津市・古賀市・新宮町
【2営業日以内に対応可能エリア】
久山町・粕屋町・須恵町・志免町・宇美町・太宰府市・筑紫野市・大野城市・春日市・那珂川市・福岡市・糸島市・筑前町・朝倉市・東峰村・小郡市・大刀洗町・うきは市・久留米市・広川町・八女市・筑後市・大木町・大川市・柳川市・みやま市・大牟田市
【大分県全域】
大分市、別府市、中津市、日田市、佐伯市、臼杵市、津久見市、竹田市
豊後高田市、杵築市、宇佐市、豊後大野市、由布市、国東市、姫島村、日出町、九重町、玖珠町
【山口県全域】
下関市、宇部市、山口市、萩市、防府市、下松市、岩国市、光市、長門市、柳井市、美祢市
周南市、山陽小野田市、周防大島町、和木町、上関町、田布施町、平生町、阿武町
取扱業務
農地転用・開発許可・盛土規制法に基づく許可及び届出・雨水浸透阻害行為許可
投稿者プロフィール
最新の投稿
太陽光発電システム・太陽光パネル2025年5月6日【行政書士が解説】市街化区域の農地に太陽光パネル(太陽光発電システム)を設置できますか?|市街化区域・太陽光発電・太陽光パネル・農地転用・農地法第4条届出・農地法第5条届出
市街化調整区域2025年5月6日【行政書士が解説】市街化調整区域に建物を建てることはできないんですか?|市街化調整区域・建築物の建築
各種権利の相続2025年5月6日【行政書士が解説】農地に設定された賃借権は相続できますか?|農地・賃借権・相続
第3条の3届出2025年5月6日【行政書士が解説】農地を相続した際の農業委員会での手続きってどうしたらいいんですか?|農地・相続・農業委員会・農地法第3条の3届出